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第39回防火区画と防音区画の両立を図るパーテーション設計の工夫:安全性と快適性を両立する方法

パーテーションの設計では、安全性と快適性を両立させるために、防火性能と防音性能を兼ね備えることが理想です。しかし、これらの機能は異なる要件を満たす必要があるため、同時に高い水準で実現するには工夫が求められます。この記事では、防火区画と防音区画を両立させるための設計のポイントや工夫について紹介します。

1. 防火区画と防音区画の違いとそれぞれの重要性

防火区画とは
防火区画は、火災が発生した場合に炎や煙が広がるのを防ぎ、施設内の安全を守るための区画です。建築基準法に基づいて不燃材料の使用や気密性を確保する必要があります。

防音区画とは
防音区画は、外部の騒音や内部の音の漏れを防ぐための区画で、特にオフィスや医療施設、商業施設など、プライバシーや集中力が求められる場所に重要です。遮音性能のある素材や構造が求められます。

2. 防火と防音の両方を実現するための設計の工夫

2.1 防火と防音性能を両立させるパネル選定

防火性能が求められる区画では、不燃性でありながら音を遮断する効果がある素材が望ましいです。

– 石膏ボード:耐火性と遮音性を兼ね備えた石膏ボードは、防火区画と防音区画の両方に対応可能です。二重張りにすることで、遮音性能をさらに向上させられます。
– 特殊ガラス:防火性の高い防火ガラスを採用し、内部に遮音フィルムを挟むことで防音効果も発揮します。

2.2 パネルの多層構造で遮音性と耐火性を強化

パネルを複数の層で構成し、それぞれの層に異なる機能を持たせることで、防火性能と防音性能を高められます。

– 多層ガラスパネル:外側を防火ガラスで覆い、内部に遮音性の高いフィルムを入れることで、光の透過性を確保しつつ、防火・防音の両方に対応。
– 二重構造の壁:防火性のある石膏ボードと遮音材を交互に設置し、空間を密閉することで高い防音効果を実現しつつ、火災時の安全性も確保します。

2.3 隙間や開口部の処理で安全性と快適性を確保

防火区画と防音区画の両方を設置する際には、隙間や開口部の処理が鍵を握ります。特に、空調ダクトや配線部分に隙間が生じないように注意が必要です。

– 防火パッキンの使用:扉や窓周りには防火パッキンを使用し、火災時に煙が漏れないようにします。遮音性能の高いパッキンを併用することで、音漏れも防止。
– 二重ドア構造:扉部分には二重ドアを採用し、外側は防火ドア、内側は防音性能の高いドアにすることで、用途に応じた機能を確保。

2.4 壁内空間に防音材を充填する方法

防火構造の壁内に防音材を適切に配置することで、防火と防音を両立させることができます。

-吸音材の活用:壁の空間部分にグラスウールなどの吸音材を入れることで、音の反響や漏れを防ぎつつ、耐火性も保てるようにします。
– 発泡材の使用:発泡材は遮音性と断熱性を併せ持ち、壁内部に充填することで、耐火性能を損なうことなく高い防音効果が得られます。

3. 防火・防音を両立するパーテーションの設置事例

3.1 オフィスの会議室の防火・防音設計

会議室では機密情報の漏えいや集中力を保つため、優れた防音性能が必要ですが、同時に防火対策も欠かせません。

-使用材料:防火ガラスと吸音材入りの石膏ボードを組み合わせた壁
– 効果:火災時に火や煙の拡散を防ぐとともに、会議の内容が外部に漏れないため、安心して利用可能

3.2 医療施設における防火・防音パーテーション

医療施設では患者のプライバシーを守るための防音対策が重要であると同時に、安全対策として防火区画が求められます。

– 使用材料:遮音フィルム入り防火ガラスと多層構造の石膏ボード
– 効果:病室や診察室での会話内容を外部に漏らさず、万が一の火災時にも安全性を確保

3.3 学校の教室や図書館での防火・防音区画

学校施設では生徒の安全を守るための防火区画が重要であり、図書館や音楽室では防音も考慮する必要があります。

– 使用材料:防火性の石膏ボードと遮音材入りのパネル
– 効果:生徒が集中できる環境を提供しつつ、火災時には安全な避難をサポート

4. 防火と防音を両立する設計のメリット

– 安全性の向上:防火区画を備えることで、火災時の被害を最小限に抑え、施設全体の安全性を確保できます。
– 快適性の向上:防音対策が施された空間は、利用者が快適に過ごせるため、集中力やプライバシーの保護に寄与します。
– 法規制の遵守:建築基準法などの規制を満たすことで、施設の信頼性を高めるとともに、トラブルのリスクを低減します。

まとめ

防火区画と防音区画の両立を図るためには、材料選びから施工方法、細部の処理に至るまで、さまざまな工夫が必要です。安全性と快適性を両立したパーテーションを設置することで、火災時のリスクを軽減しながら、日常的な利用環境の質を高めることができます。

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